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HISTORY開発ヒストリー

常識を超える化粧品開発への道 試作

1.夢を形にしてくれる製造メーカー探しに奔走

細胞試験で大きな難関を潜り抜け、結果に手応えを感じることができたら、いよいよ製造メーカー探しです。化粧品を世に送り出す前の、最終局面がいよいよ迫ってきていました。ところが、ここからがまた険しい道だったのです。咲丘によると、常識を超える高濃度だったため「実績ある咲丘さんのようなプロがそんな突拍子もないことを言い出すとは…」とまで言われ、製造メーカーに断られる日々。咲丘がもうダメかもしれないと挫折しそうだったときに、「こんなふうに他にはないこだわりを持った人が提案する、究極の化粧品を作るのが、ずっと夢だったんです」という製造メーカーに出会うことができ、引き受けていただけることになった時には、感激のあまり涙が止まりませんでした。

2. あと一歩なのに、その一歩が険しく長い道のりに

実際に試作ではある程度予想はしていたものの、12種すべてを高濃度にするとなると、なかなか安定しないのです。ビタミンCを高濃度配合しているため、他の原料とのpH領域の調整にも難航しました。「ビタミンC高配合で、○種類配合!」と謳った商品をみかけることがあります。この場合、ビタミンC以外の原料は微量添加のため、割と簡単に作ることができます。でも咲丘がこだわっているのは、すべてを高濃度にすること。これが浸透技術を取り入れる前の段階ですでに躓いていました。

咲丘の研究成果である新型リポソームのために、化学処理されていないホスファチジルコリンを使用しようとするも、不安定で崩れてしまいました。このときすでに、リポソームを安定化(動かないようにフィックスさせるための成分選定にもかなりの時間と労力を費やしています。そして、まさかの100%天然成分が最も不安定かつ肌に刺激があることがわかったのです。結果、XとVで違うリポソーム安定化成分を使うことにして課題をクリアに。香りも、香料メーカーのラボまで行き、幸せホルモンが上がる効果が期待できる精油をミックスしました。今までのダマスクローズの精油一辺倒じゃなく、進化したかったのです。

Confused business woman staring at scribble on blackboard

3. 常識を超えるからこそ、安全性にはこだわりたかった

 12種高濃度という常識外のことをやろうとしていたからこそ、開発段階から安全性はとても重要視していました。効果が強力な反面、何が起こるかわからないリスクと背中合わせです。

安全性試験のプロフェッショナルが製造メーカーや取引先にいたため、何度も打合せを重ねて、意見をすり合わせました。試作中のパッチテスト(ヒト一時刺激)、細胞試験(notヒト/成分が肌の細胞の中に入った時にどうなるか?)、アレルギーテスト(ヒト累積刺激)の順番で一つ一つ確実にクリアしていきました。

具体的には・・・

化粧粧品開発で試作中にパッチテストにかける会社はほとんどありませんが、リコードは違います。専門機関で5回、取引先や家族・知人に協力してもらい何回もパッチテストを行っています。専門機関では、どの原料が刺激を及ぼすかを知るために、原料だけのパッチテスト、リポソーム処方とわけてパッチテストを行いました。結果が悪い処方は落としていき、最も結果が良く、安定性と使用感に優れた処方に最終的にフィックスできました。

そして、以前の記事に書いているように、細胞試験では毒性と有効性をクリアして安堵しましたが、ヒトでも見なければなりません。最終処方をアレルギーテストにかけ、累積刺激を観察し、毎日のように試験機関に相談していました。そして無事に「感作なし」の判定が出た時は、スタッフ・役員・取引先一同で歓声を上げて喜ぶことができました。本当に長い道のりだった分、こみ上げる感動もひとしおでした。

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