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HISTORY開発ヒストリー

常識を超える化粧品開発への道 原料の選定

1.化粧品業界の常識を覆して作り上げた新たなルート

 原因が特定できたら、次に行うのはその原因を解決するための原料を選定することでした。やることは明確なのに、その解決方法を見出すことにかなりの苦難を強いられたと、咲丘はそのときのことを振り返り話します。それには、化粧品業界の常識を覆すことが必要だったからでした。

「大手でない発売元が、原料メーカーとコンタクトをとるのは難しいということは業界の常識でしたから、長年かけて独自にルートを切り拓いてきました。私は原料が持つ魅力を探求することが大好きで、かねてよりそこにサイエンスとロマンを感じていました。そのため、自身でいろいろな専門家の方々と積極的にコンタクトをとり、信頼関係を築いてきたことが、足掛かりとなり、新たなルートを作り上げることにつながったのだと思っています」 

 化粧品業界の常識を覆し、これまでなかった新たなルートを作ったのは、咲丘が先駆けでした。

さらに、「グローバルレベルへ進化させて原料を追求したい」咲丘は、最終的な原料選定のためにパリまで行き、直接サプライヤー(海外の原料元)から話を聞きました。

「直接海外の原料メーカーと打合せすると、日本に入ってこない様々なデータや新情報を入手することが可能です。また、世界の最先端の知見や動向が集結しているため、これまで主に日本人サイエンティストからの話や、論文や原料資料という紙の上で収集していた知見を、グローバルレベルで温度感とともに体得することができました。さらには私の化粧品業界に入った時のメンターのような存在、元大手フランス化粧品メーカーディレクターの薬学博士と3日にわたりじっくり打合せをする時間が作れたことは、得た知見をチューニングでき、商品骨格を作るうえで非常に有意義でした」

2.相反する効果をひとつのボトルの中に入れることができるのか?

そうして、原料メーカー、専門家の方々の最新の情報に、咲丘がこれまで研究を重ねてきた情報などを集約し、候補となる原料を選び出していく作業が続きました。今回の開発においては、エイジング加速下では、シミ、シワ、たるみが同時多発で起こっている状態と考えます。ここで、咲丘は大きな壁にぶつかりました。

「ハリ・弾力は『増やすこと』、シミは『抑制すること』。例えば、ハリや弾力を司る成分として重要な役割のコラーゲンの生成促進は、作用機序が重要になります。成長因子が最もわかりやすいものの、繊維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)だけでなく、メラノサイト(メラニンを作る細胞)まで活性化させてしまう因子が多いのです。『美白とアンチエイジングは両立しない』といわれている所以ですね。また、コラーゲンは単に増やせば良いというものではなく、ターンオーバーは10年以上といわれているため劣化コラーゲンの蓄積も問題になります。そして、私はシミができやすい体質なので、日頃から切羽詰まる思いで最新知見を詳しく調べていますが、シミのメカニズムは非常に多岐にわたり、それに対応する成分も様々。つまり、1つのスキンケアの中で、同時ケアできるよう包括的にアプローチができなくてはいけない。『増やす』『抑制する』、相反するすべてを選択的かつ同時ケアできる成分選定は可能なのか?頭を抱える日々が続きました」

3.原液のサンプルの治験で実感した、肌への手応え

 そこで、咲丘が行ったのは、エラー因子を特定することでした。

「自分自身の肌に起こっているエラー因子は、おそらく同年代の女性たちも同じだろうと考え、ひとつずつ抽出し、それらを検証して、『82個』特定しました。そして、82の肌エラー因子の修正を目指し、国内外の原料メーカーから原料サンプルを、狙いを定めて100種以上取り寄せました。自分の肌で、原料原液を使用して手応えを感じたものを選び、さらにそれらをカスタマイズしながら組み合わせを考え抜く日々が延々と続きました。その中で、最も手応えを感じた組合せ、最高濃度、ベスト比率にたどりつき、『ここまでやらなくては効果は得られないのだ!』と強く感じたのです。1、2成分のみ高濃度配合した従来の美容液とは全く異なる次元。美容人生史上初といえる透明感、フェイスライン、異常になめらかな質感。単なる若返りではない、肌が生きる力をも与えてくれるほどの手応えでした」

 咲丘自身の肌の治験データから選び出した原料とはいえ、12成分すべてを高濃度配合した、化粧品の常識を超える処方。本当にベストな組み合わせなのか、安全性の担保はどうか、確証できるものとするために、細かい分析を行う信頼度の高い「細胞試験」を行うことにしたのです。そのお話については、次回ご紹介させていただきます。

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