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COLUMN美容コラム

光老化をシャットアウト!日焼け止め選びと使用法

前回は、見た目老化の約8割が光老化で、それを引き起こす紫外線の特性についてご説明しました。今回はそれを踏まえ、美容IQがさらにアップする、日焼け止め選び、効果的な紫外線カットのポイントをご紹介します。

1. あなたは大丈夫?日焼け止め選びに関する都市伝説

あなたは日焼け止めの知識、どれだけ持ち合わせていますか? それは本当に正しいのでしょうか? じつは間違った知識を持っている方が少なくないようなのです。正しいようで、じつは間違って いる都市伝説のような日焼け止め情報についてお話ししましょう。

◆2品使うと、SPF値は足される?
間違いです。たとえば、SPF30の日焼け止めとSPF20のファンデーションを使った場合、SPF30+20=50 になる訳ではありません。単純に効果が足し算される訳ではないということを知っておきましょう。
ただし、規定量を塗布できていない場合が多いので、日焼け止め効果のあるアイテムは2品使うと、より的確な紫外線防御効果を得られます。塗りムラも埋めてくれるイメージですね。

◆SPFは紫外線を防ぐ「時間」のこと?
指標の測定法では防御時間を直接的に計測してはいません。紫外線ダメージ(紅斑、黒化)を弱める効果のことを表します。SPF30だと、何も塗っていない時に比べて、紫外線ダメージ(紅斑)を30倍弱めてくれるという意味です。

◆SPF、PAは高い数値のものを使うと良い?
大事なのは「数値」だけではなく「使用量」。
塗りムラや規定量が塗布できていない場合が多いので、「べたつくのが嫌だ」「塗った感があるのが嫌だ」という方は、最高値のものを薄めに(心地よい程度に/パール大2個)使うのがおすすめです。ただし、数値が高いものほど、お肌に負荷がかかりやすくなります。雨や曇りの日、秋冬はSPF30程度、PA+++で良いでしょう。

また、美容IQの高い方におすすめなのが、気象庁が毎日発表している「UVインデックス」をみて、その日に使う日焼け止めを選ぶコト。
「今日は紫外線が強いから、最高値のものをしっかり二度塗りしよう」
「今日は紫外線が弱めだから、SPF30PA+++のものを一度塗りしよう」
など明確に意識できます。

<UVインデックス3~5(紫外線が中程度)の日>
SPF30、PA+++を心地よい程度の量使用。日焼けしやすい頬骨や顔のサイド、鼻部分は二度塗りする。
<UVインデックス6~7(紫外線が強い)の日>
最高値のものを、心地よい程度の量使用。日焼けしやすい頬骨や顔のサイド、鼻部分は二度塗りする。
<UVインデックス8以上(紫外線が非常に強い)の日>
最高値のものを、全顔2~4度重ね塗りして規定量をしっかり使用する。
を目安にして、賢く日焼け止めを使用しましょう。

※UVインデックスとは・・・紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを指標化したもの。気象庁HP→防災情報→紫外線情報→自分のいる地点を選ぶ(東京など)

◆ノンケミカルは肌に優しい?
一概にそうともいえません。確かに、紫外線吸収剤は肌上で化学変化を起こすため、肌負担や刺激を感じる方が多いのも事実です。ポジティブリスト(制限付き配合可能リスト)に掲載で、紫外線吸収剤は国に許可された成分しか使用できません。配合上限も決められています。
一方、紫外線散乱剤はノンケミカルですが、光触媒といって、光にあたると活性酸素を発生させる作用があります。肌が持つ抗酸化酵素の力が弱い方は、紫外線散乱剤でもダメージになる可能性があるのです。

※注:散乱剤の中では酸化セリウムが最も光触媒の作用が低いといわれています。

酸化チタンは表面を反応性のない物質でコーティングして光触媒を防いでいるタイプは安心です。(表面処理剤の例:シリカ、水酸化Al、ハイドロゲンジメチコン、ステアリン酸など)

また、EUでは、酸化チタンの中でも、白浮きが少なく使用感の良い「ナノマテリアル」は肌に良くないという見解もあります。
特に紫外線防御剤の「肌に合う・合わない」は個人差が大きいです。
ネット情報に惑わされずに、ご自身の肌と向き合い、「刺激がない」「塗ったほうが肌の調子が良い」と感じる日焼け止めを選ぶのが正解です。

2. 360度紫外線カットを心がけることで、美肌アップ

日々のほんの少しの心がけで、紫外線から効率よく肌を守り、美肌力をアップさせることができます。ぜひ参考にして、今からすぐに、実践してみてくださいね。

◆日焼け止めの塗り方ポイント
日焼け止めは重ね付けを意識しましょう。特に、骨の隆起が高い、鼻と頬は特に紫外線を浴びやすいので、念入りにしっかりと塗りましょう。また、首元や首の後ろ、耳は盲点なので、忘れずに。塗り忘れて、首や耳の色と顔の色が違うなんてことにならないように・・・。

◆日焼け止めだけでは完璧ではないことを意識して
実は、紫外線防御の数値がきちんと出る量(規定量)を塗るのは大変なのです…。最近の伸びの良い日焼け止めでは、実際には半分~1/4程度の量しか塗布できていないともいわれています(効果も半分~1/4に減)。

日焼け止めの数値は、1㎠につき2mgで計測されています。市販のシートマスクの面積から換算すると、ざっくりですが、顔の面積は400㎠くらいかと思います。(※個人差あり)
という事は、顔だけでおおよそ、2mg×400㎠=800mg必要。少し粘度のある乳液タイプで、大玉パール二個分くらいです。日焼け止めの使用感(伸びの良さ、閉塞感の少なさ)が進化しているかわりに、規定量を塗るためには、2~4回の重ねづけしなければならず、結構な厚塗りが必要に。塗りムラ、汗や皮脂による崩れも発生するため、完璧防御とはなかなかいきません。

そこでおすすめなのが、日傘or帽子、サングラス、飲む日焼け止め、の併用です。日傘や帽子は上空からの紫外線をバリアしてくれます。つばが広く顔を覆うデザインの帽子や大き目のサングラスはコンクリートや壁からの紫外線反射からもお顔を守ってくれる効果が高いです。
飲む日焼け止めは、紫外線ダメージ(DNA損傷、活性酸素など)を内側から軽減してくれますので、包括的なUVケアが叶います。ちなみに、活性酸素は疲れた時や睡眠不足でも過剰に発生しますので、だるく感じる朝などに使用するのもおすすめですよ。


WHOの勧告によると、東京では4月から「紫外線が非常に強く(UVインデックス8~10)、外出はできるだけ控え、日傘や長袖、日焼け止めを使用」とのこと。目で感じる以上にダメージが大きいのです。予防なくして美肌ならず。紫外線を浴びてからダメージをケアするだけでなく、大元=「紫外線から守るケア」を徹底して、効率良く美肌ケアをしましょう。

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