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COLUMN美容コラム

巣ごもりの今だから! お風呂美容の新常識

1.お風呂美容と体温の関係を知っておきましょう

巣ごもりの今、おうちでの時間をより充実させたい人は増えているようです。そこで今回は私もこだわっている「お風呂美容」についてお話をしたいと思います。その前に、体温について少しご説明をさせてください。

今や体温を測ることが日常化しています。ひと言で体温といっても、「深部体温(臓器の働きを保つため安定)」と「皮膚温(季節や環境の栄養を受けやすい。頬が冷たいなど)」があります。体温計が示すのは深部体温。春の三寒四温で、体温調節を司る自律神経の働きが下がってくると、深部体温も皮膚温も乱れがちになり、体調がダウン…ということも。お風呂美容では、この深部体温と皮膚温を上手にコントロールすることが美しさの鍵になります。

そもそも「お風呂に浸かる」ことは、体温を一時的に上げることで、入眠時に深部体温が下がりやすくなり、質の良い睡眠がとれることがわかっています。睡眠の質と量は、免疫力にも直結するため、コロナ禍で大切にしたいことですよね。

また、リラックス状態へ導き、自律神経を整えることで、お風呂美容は美肌効果が抜群。血液・血管・血行(=3血)は美肌のオオモト。お肌も身体の他の臓器と同じく、血液から栄養をもらい、代謝した老廃物を血液に回収させることで、健やかな細胞を維持しています。どんなに良い栄養を摂っても、汚れがたまっていれば、身体が受け止められないですよね。いくら良いスキンケアを使っても、環境が整っていないと台無しに。老廃物を流し(体内のデトックス)、栄養を届けやすい肌に導く土台作り=3血の「巡り」をぐんと整えるツールがお風呂美容です。
つらい身体のコリやむくみもケアし、ダイエットにも効果的です。

ただし、注意したいのは温度です。
皮膚温がシワ、シミ、ニキビ、敏感肌に影響を与えるので、気を付けたいポイントになります。皮膚には温度センサー(TRPチャネル)があり、温感は敏感肌になりやすい(痛みのセンサーでもあるため)反面、真皮活性化をサポートします。冷感は真皮活性が低下する反面、メラノサイトを鎮静します。つまり、温感と冷感のバランスが大切になります。これらのことを踏まえた上で読んでいただくと、お風呂美容の効果的な方法がよりわかりやすくなります。

2.バスタブに浸かる前の美しくなるお手入れ法は?

<プレバス(入る前)で心掛けるべきこと>
◆水分は胃ではなく腸で吸収されるので、入浴中に血液をドロドロにしないために、入浴30分前くらいに水分をとっておきましょう。300ccくらいの軟水を飲んでください(40℃のお湯に10分つかると500ccの水分が失われるといわれています)。
◆お風呂に持ち込むものは、濡れた顔を拭く乾いたタオルとマッサージクリーム、シートマスク(またはクリーム)、バスソルト。リラックスさせ、副交感神経を優位に導く精油もあるとより効果的です。

<シャワー時に心掛けるべきキレイのテクニック>
◆シャワーの温度は皮膚温を上げすぎないために、38℃程度までにしましょう。
◆まず心臓から最も遠い脚からシャワーをかけていきます。次に上半身は、まず首の後ろをシャワーで温め、体全体の血行を効率よく促進します。首の後ろは体の体温を司る自律神経や、太い血管が集まるところ。温められた血液によって脳の温度センサーが体温を下げる指令を出して、熱を放出させるようと、末梢(手足)まで血管を拡張させるため、血流が増してポカポカになります。
※半身浴中にホットタオルを枕に首にあてると、実は足の冷えに効果的。もちろん体全体の代謝も良くなりやすくなります。

<身体の洗い方>
◆老廃物を除去する静脈・リンパには心臓というポンプがなく、筋肉がポンプの役割を果たします。そのため、流れは非常にゆっくりで、むくみやすくなりがち。老廃物を流すサポートをするために、リンパ節を意識した洗い方がおすすめです。静脈やリンパは求心(心臓)の方向に向かうため、効率的に流すためには、まず心臓から遠い脚から。足の先から膝の後ろに上がって、膝窩リンパ節(膝後ろ)をグリグリ。膝上から脚の付け根に向かって、鼠径リンパ足(脚の付け根、Vラインのところ)をグリグリ。お腹は時計回りに円を描くように。上半身を洗う時、腋窩リンパ節(腋の下)を揉むように洗いましょう。老廃物が流れやすい身体になると、ダイエットにも美肌にも効果的です。
◆注意点は、くれぐれもナイロンタオルなどでゴシゴシと擦らないこと。刺激でメラニンが多く作られてしまいます。柔らかいシルクコットンのタオルか手のひらで洗いましょう。
◆顔を洗う時は、身体を洗う時よりも温度を下げて。シミのリスクが上がるのが37℃、皮脂分泌が過剰になるのが34℃といわれているため、30~32℃程度が理想。また、洗い流しでシャワーを顔にかけるのはNGです。水圧が、皮膚の薄い顔の肌には刺激になるうえ、すすぎ残しが発生しやすくなります。必ず手ですすぎましょう。

3.バスタブに浸かってからアフターケアまでていねいに

<バスタブに入ってから>
◆お風呂の温度は体温より少し高めの37~40℃が理想。40℃以上になると、脚のシワを発生させるという報告がありますので、注意しましょう。
◆バスソルトは効率よく温度を上げることができます。嗅覚はダイレクトに脳に届くため、ストレスをやわらげるフランキンセンスやローズなどの精油も垂らして。お風呂の水圧は、お風呂から出た時に圧がとけて循環が一気に良くなるため、いわば浸かっているだけでマッサージ効果があり、脚のむくみにも効果的です。面倒がらずに湯船に浸かりましょう。
◆「なかなかリラックスモードにならない」「寝付きが悪い」という交感神経が優位な時(自律神経が乱れている時)は、肩と首まですっぽりと、顔ギリギリまで湯船につかるのがポイント。副交感神経が優位になりやすく、深いリラックス効果が得られます。
※朝、入浴する時は、交感神経を優位にスイッチしたほうが、日中の活動に好影響なので、お湯の温度は高めでOK。ただし、半身浴の状態で、短い時間にしてください。
※免疫力アップにはHSP入浴が良いといわれますが、高温がシワやシミを悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

<スペシャルケア>
◆マッサージ
半身浴の状態で、お顔の水分をふいてから、肌すべりの良い剤でマッサージします。マッサージは血管の強化につながりますし、血行を促進して、皮膚細胞に栄養を届きやすく、老廃物を流しやすい環境を作ってくれます。
◆レトルト式マスク
パウチ詰めされたシートマスクをお風呂につけて、10秒ほど温めて(人肌程度に温めて)から使う方法。レトルト式マスクと私は呼んでいます。皮膚温と同じくらいのほうが、シートマスクの有効成分がお肌に届きやすくなります。
※注:成分によりますが、高温は有効成分を損失させる危険があるため、あくまで人肌程度の温度にしてください。
※肌荒れ時、敏感に傾いている時はお顔を冷やすほうが良いため、シートマスクを温めないでください。
◆乾燥が激しい時はクリームマスク
クリームを厚めに塗って3分ほど放置。その後洗い流します。入浴時は角質層に水分が満ちているので、油分の多いクリームをダイレクトに載せることで、簡単に水分・油分のモイスチャーバランスが保てます。
◆半身浴中の裏ワザ
お顔のリンパの流れを良くするために、お風呂につかりながら、左右の鎖骨上リンパ節(鎖骨の上)をグリグリとマッサージしましょう。ここは顔全体の老廃物を集めるリンパ節の終着地点。いわば顔のゴミ箱。これを行うことでむくみもとれるので、小顔効果もぐんと上がります。
※30分以上入浴する際は、汗とともにミネラルも失われるため、ミネラル豊富な「硬水」(エビアンなど)を補給しましょう。

<アフターバスのキレイテクニック>
◆水分補給
入浴中にミネラルが不足しますので、特にミネラルを含んだ炭酸水がおすすめ。身体を冷やさないために必ず「常温」をこころがけてください。二酸化炭素を補給することで細胞が活性化し、疲労物質の乳酸を排出する働きがあるので、美肌とともに疲労回復にも効果的。炭酸水が苦手な方は「白湯」を飲んで。
◆お風呂から出たらすぐにスキンケアを
お風呂上りは水分蒸散量(TEWL)が上昇して、一気に乾燥する危険が高いため、お風呂から出たらできるだけ早くスキンケアをすることがポイント
◆「温→冷」のステップを意識したスキンケア
温冷療法といって、温冷の刺激が毛細血管を強化します。エイジングは毛細血管のゴースト化が関与しているため、毛細血管の強化は効果的なエイジングケアにつながります。お風呂から出たら、まずお顔にサッと冷水をかけましょう。特に、「マスクネ・敏感肌」に傾いた肌には、お風呂上りに「冷」をとりいれることが何より重要です。その後、ワクチナイザー®→冷蔵庫で冷やした、ひんやり冷たいローションで鎮静→乳液(クリーム)で油分保湿を。
◆ボディの保湿ケア
寒い時期はボディも乾燥しますが、化粧水(水分)・クリーム(油分)のアイテム重ね付けは面倒ですよね。ボディはお顔のように部位ごとの水分・油分量の違いがそこまで繊細ではないので、1アイテムでOK。お風呂から出たら、バスタオルで軽くふき、角質層が水分で蒸れているうちに、クリームやオイルを塗って蓋をして。ミネラルオイル(鉱物油、石油100%)は肌となじみにくくべたつくのでNG。ホホバ油などがおすすめです。
ボディクリームの塗り方は、心臓に向かって流す「求心」を意識して行って(足先から足の付け根へ。腕先から腕の付け根へ)。血液を心臓に戻すように促すと代謝が良くなり、上に引き上げるようにマッサージするように塗るとたるみ防止にもなります。肘やかかとなど乾燥のひどい部位は、古い角質がたまっているので、強いピーリング作用を持つ尿素配合のクリームがおすすめです。
◆アフターバスは早めに着替えて
身体の保温も大切にバスタオルを体に巻いた状態でスキンケアやドライヤーをかけるのはNG。なるべく早いうちに衣類を身につけ、暖かい部屋で過ごしましょう。

※「スキンケアはなるべく早く」「ボディもケアして」「保温のためにすぐ衣類を着て」、一体どれが最初なの?!というと、おすすめはバスローブを用意すること。ボディケアの後、さっと塗ってバスローブを羽織ると、すぐお顔のスキンケアに入れますし、保温もできます。しかも、バスローブは、特別感や自分を慈しむ優雅な行為を想起させ、楽しく美容ができますよ。

お風呂時間にはキレイをぐんと促進するテクニックがいっぱい。おうち時間を活用して、楽しく有効的に美を目指しましょう。

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